吹き抜ける風に振り返る  そして、何もかもがかわっていく。  三年前の夏  そうあれは香港返還の年だった  初めて北京にきた。  うちの大学。  正門から裏門までまっすぐ歩いて10分強。  当時は広いと思ったものだが、  北京大学は常識を越えていた。  まっすぐいって一時間って……どんな広さ?  うちの寮の前はただのサラ地  一年前に掘り返され、  気が付いたら中国風の小さな庭園ができている。  ……やりゃあ早いじゃん。  大学の周りのいっぱいの食堂。  ある日を境に全て壊され  何もかもがなくなった。  どうして壊されなくてはならなかったのか全くわからないまま月日は過ぎて。  あ……緑化運動ですか。  北京の銀座と呼ばれる、王府井もきれいになった。  あんなに暗かった街が明るくなる。  建国50周年のためとはいえ……。 「なんか北京じゃないみたい」  悪いけどごもっとも。  そして二度目の春が訪れ、  区切りのような風が吹き、  また思い出す。  どうしてここにきたのか?  どうしてここにいるのか?  一瞬だけ目を伏せたら、  また顔を上げて進んでいこう。  風に抱かれて、大陸に溶ける。  自由に生きてく。  ……春は眠い……